思い出がくれる生きる力

幼い頃の思い出は、大人になって振り返った時キラキラと輝きを増して生きる力になってくれることがあります。

その時に身につけていた着物を思い返すと、家族の優しさや幸せを願う気持ちが伝わってきますね。

女の子らしく、明るく美しい蝶々のように優しく育つようにと柄が選ばれていたり。

寒い季節も温かく感じるように裏地がネル素材であったり。

リボンがピンクなのは「きっとピンクのリボンに気分が高まるから」という家族の思いやりも伝わってきます。

幼い頃の思い出と愛情が詰まった着物を今に活かして、あの頃のピュアな気持ちを忘れたくない。

でも可愛らしい黄色がベースの着物地は、子供には相応しくても大人には可愛すぎる…。

ということで、可愛らしいクリームイエローをシックなベージュに染色しました。

さまざまな色をブレンドして、大人に相応しい落ち着きのあるカラーに。

ブラウスにするシルクは、長襦袢を洗い張りの職人さんに仕上げていただきました。

素晴らしいご縁を結んでくださった方と職人さんのおかけで、新品同様の美しさです。

打ち出の小槌模様は、「一生お金に困らないように」という親の願いそのものを映し出していて、目にしただけで安心した気持ちになります。

仕上がったのは、長襦袢の素材の良さを活かしたフリルブラウス。

一見シンプルですが、オフショルダーの肩を落として見せるデザインが、ドレッシーな気分を高めます。

袖はあえて七分袖にし、内側には細かいタックを入れて柔らかい女性らしさを表現。

守られていて安心、安全だった楽しい幼い頃の思い出が、今を私たちの人生を支えてくれている。

「どんな時もきっと大丈夫。私たちは守られているよ」という気持ちになるスカートとブラウスに仕上がりました。

人生には色々とあるけれど、守られている力や、湧き出る想いが私たちを支えてくれている。

そう感じさせてくれました。