洗い張り「洗い」「すすぎ」編


山形市にある「山川しみぬき店」さんにお邪魔して取材させていただいたレポートの続きです。

大きな窓から明るい日差しが差し込む洗い場には、丁寧に使い込まれた道具以外無駄なものが一切なく、禊ぎのような清らかな気持ちになる空間でした。

山川さんの指先の美しさが、行き届いた神経を表しているように見えました。

着物地を平らに伸ばしながら洗剤をつけたブラシで洗っていきます。

汚れを確認しながら、作業を進めていきます。

私が「シルクは水をつけたらいけないというイメージがありますが…」と質問したところ

「シルクは蚕だから、水には強いのよ!!」とおっしゃられたお母様。

ドレスを扱うものとして「シルクは、お水厳禁」という先入観があったのですが、長年磨き上げられたプロの手にかかれば、水洗いすることで繊維をダメにするどころかあんなにも美しく復活させることができるなんて!! まだ驚きが隠せません。

汚れやしみの種類によっては、ハケのようなブラシ?を使うのだそう。

振り返ってお写真を見ているだけでも、心まで浄化されるような清らかな気持ちに…。

普段は、もっと勢いよくバシャバシャと飛ばしながら洗うのだそうですが、私たちに洗剤やお水が飛ばないようにご配慮してくださり申し訳なかったのですが、おかげ様で水が跳ねたり飛んでくることがありませんでした。

丁寧に洗われた反物を3回ゆすぎます。

まずは、一回目のすすぎです。

優しく力強くすすいでいきます。

「冷たい水は年々心臓にこたえますね」と笑顔で話して下さった山川さん。

2回目のすすぎの場面です。

3回目のすすぎは、なんと機械を使いながらすすいで、平らに伸ばすプレス機能もついていること。

セッティングも難しそうです!!

シワのよった反物が命を吹き替えした瞬間に立ち会えたような気分。

洗い場の道具たちも、一つ一つが大切に使い込まれていて、お父様の代から受け継がれているこだわりが伝わってきました。

次は、「干し場」にも潜入させていただき、反物に巻き上げる仕上がりまでのご案内をさせていただく予定です。