着物リメイクを始めて気づいたことは、日本の伝統的な和服のデザインや洗い張りの文化の素晴らしさのほかにも、素材そのものの良さです。
例えていうならば、大和言葉や美しいかな文字に触れた時のような安心感のように素材そのものと心がフィットする感覚。
シルクや麻、コットンやウールなどの天然素材でも現代のものよりも純度が高く手に取った時のなめらかさや馴染む感覚がより強いように感じます。
素材の豊かさに触れる度、昔の日本人の心の豊かさがひしひしと伝わってきます。
母が若い頃に色と柄が気に入って作った着物と羽織りをリメイクしたパンツ。
かすり模様の和の柄ですがチェック柄を活かし、まるでパンクファッションのようにコーディネートしたら可愛いかも!!というアイディアから生まれました。
母にとって孫の夫、そしてひ孫のパンツに生まれ変わったことが驚きと嬉しさに溢れたのか、撮影当日二人のファッションを見て大爆笑して喜んでくれました。
母を笑わせる気持ちはなかったものの、大笑いする母を見て思いがけない嬉しさが広がりました。
「お揃いコーデはちょっぴり照れるけれど、おしゃれ大好きなパパとの仲良しコーデをみんなに自慢したいな」「これからもいっぱい遊ぼうね」
着物リメイクという枠にとらわれず、ファッションを楽しみながら家族の思いを繋げる。
先に生まれた人々の思いを受け継ぎ、今の日本に生まれたことを喜びと思える。
家族の思いや良質な素材に触れ心がやわらかくなり温かくなる。
そんな着物リメイクを目指しています。