「家紋入りのメンズパンツ」
姉が結婚した時に用意した礼服の着物。
いざという時のための礼服でしたが、とっさの時には着やすさから洋服にすることがほとんどで、結局一度も袖を通すことなく、しつけ糸がついた状態でたんすの奥に眠っていました。
そこで、黒く美しいシルクの着物に嫁ぎ先の家紋があることに着目。
現在では家紋にこだわる風習も薄れていますが、苗字を受け継ぐように家のトレードマークである家紋を活かして、自分のルーツに誇りを持つことができたら…。
そんなアイディアから生まれたパンツです。
義兄家の梅鉢紋の家紋。
家紋が入っていると言っても、かしこまった席で着るというよりは義兄が実家に帰省する時に気楽に着られるようにあえてカジュアルなデザインに。
後ろポケットの蓋(フラップ)部分に家紋を入れました。
兄の孫の子供用のハーフパンツは、また苗字が違うのであえて家紋を入れずにお揃いの生地で制作。
大人&子供ともに、シルクの柔らかくドレッシーな素材とカジュアルなデザインの融合で、普段使いしやすいパンツにしたところがこだわりのポイントです。
日本の和服は着物に家紋を入れることで家を受け継ぐことや守ることを当たり前にしてきました。
今や忘れ去られた風習のようですが、ファッションの一部として洋服に家紋を取り入れることで自分のルーツに想いを馳せる。
着物や心を大切にし、先人や祖先との繋がりを大切にすることで未来とつながることが出来たら…そう願って生まれた着物リメイクです。
人生の歩みも大好きな家族となら、どんなこともきっと乗り越えられる。「じいじ、またお揃いのパンツで遊びに行こうね!!」