父の長襦袢が家族のアロハシャツに

2020年の12月、3カ月間の闘病の後に他界した父。

両親が元気でいてくれることが何よりも幸せの源だった私たち姉弟にとって父の病気や死は人生最大のストレスを感じる出来事でしたが、当然ですが父と長く連れ添った母はそれ以上に心が揺れ動いたようでした。

周りには涙も見せずニコニコして平気な様子を見せる母でしたが、じっとしていると心が壊れそうになるのか、すごい勢いで父の死後3日間で遺品整理をしてしまいました。

その際に父の着物はもちろん、母の持っていた着物も全部捨てると言い出しタンスを整理し始めた母。

その時に見つけた父の長襦袢。手に取ったら肌に馴染んでしっくりとくる優しい素材感と、父らしいのぼり龍の柄。

少しでも父の存在を肌で感じていたい。 という想いから、東京に持ち帰りました。

父の長襦袢から製作したメンズのアロハシャツ。大人用と子供用をお揃いで作りました。着ているのは姪の夫と子供(父にとってはひ孫)。

晩年は孫の孫の世代のため、ひたすら山に木を植え続けた父ですが、お気に入りの長襦袢が家族のアロハシャツに姿を変えたことを、きっと喜んでくれていると思います!