オランダ在住のK様が夏休みに、ご帰国されたタイミングで、アトリエにお越しくださり、お母様の大切な思い出の詰まった黒留袖のお着物をお持ちくださいました。
「母がお気に入りだった着物を家族で着られるようなドレスになりませんか」とご相談いただきました。
ご結婚が決まったお嬢様にサプライズでプレゼントされたい、とのご要望でしたが、大切なお着物をほどいて製作するので、フリーサイズで製作するのではなく、仮縫いをご用意することをご提案させていただき、オランダで2度の仮縫いをしたシーンを画像・動画を送っていただきドレス製作を進めました。
ご希望のデザインの条件は、ノースリーブもしくはワンショルダーのスッキリとしたもの。
伝統的な日本の家紋を取り入れたデザインであること。
この2点にこだわりをお持ちだったK様。
ノースリーブの直線的なイメージを柔らかい女性的なイメージするため、肩とバスト下に柔らかいタックを入れることで曲線の中の直線を際立たせました。
ウエストラインとヒップの流れを強調するために、大胆に斜めのカットを入れドレスの裾は左右非対称のアシンメトリーのデザインにこだわり華やかさをプラス。
後ろを編み上げのデザインにすることで、サイズの違うご家族様が着られるように、調整できるようにし、デザイン性だけではなく実用性も重視しました。
私たちのアトリエでも、初のリモート仮縫いということで不安もありましたが、動画を撮影してくださったK様の「素敵、素敵、素敵。美しい」というコメントに勇気をいただき、100回以上画像や動画を見ながら、細かい仮縫い修正を行いました。
「思い出深い母の着物を娘たちが着られるようにしてくださって本当にありがとうございました。」とおっしゃって、仕上がりのドレスをとてもご満足くださったK様。
日本の伝統的な美しさにあふれた黒留袖を、ご家族の皆さまにとって大切な一着にするお手伝いをさせていただき、本当にありがとうございました。
何度もいただいたオランダの美味しいお菓子や美味しい焼き菓子もありがとうございました。
また何かお役に立てることがございましたら、おっしゃってください。
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