今年の夏に姪が女の子を出産し、お宮参りの時に赤ちゃんが着るベビードレスを姉がオーダーしてくれました。
生まれて初めてのドレスは、花嫁みたいに白くて可憐なものが素敵。
できるだけシンプルだけれど、どことなくフランス風なイメージにもしたい。
白いシルクはイタリア製のバニラ色のタフタでドレスとボネット(帽子)を作りました。
お宮参りは、赤ちゃんがすくすくと健康に育つようにお祈りの儀式ですが、やはりママだってオシャレをして気分を高めて欲しい、と姪のブラウスも作りました。
ケープカラーが優しい雰囲気のブラウスは、母のタンスで長く眠っていた長襦袢を洗い張りしていただき仕立てました。
経年で黄変していた長襦袢。半ば諦めていましたが、お世話になっているSakaiさんが「もしかしたら綺麗になるかも知れません」と後押ししてくださり山形の山川しみぬき店さんへお願いして下さいました。
まさに生まれ変わったかのように、見違えるほど美しく仕上げていただきました。
姪と相談して色は赤ちゃんと同じクリーム色、デザインはお任せで仕上げました。
女性らしい優しさのある襟ぐりと、揺れるようなケープカラーで包み込むような母性を表現。
ベビードレスの襟と上半身、袖口、ボネット(帽子)のレースと、ママのブラウスのケープカラーのレースをお揃いにしました。
ママと女の子のお揃いは、これからたくさんの機会があるかも知れないけれど、特別な一日のためのおしゃれがお揃いだったらママと赤ちゃんの絆も一層深まりそう、そんな予感がしています。
レースはたくさんの種類の中から、吟味して一番合うものを選びました。
スカートの裾のレースはお花柄。ドレスの裾の長さもたっぷりめにして赤ちゃんだけれどレディっぽさも出しました*
裏地には、ママのブラウスと同じ生地の着物生地を使いました。
亀甲柄で健康と幸せであるように、大人になったとき先祖に守られていることに気づけるように願いを込めました。
女性らしい包容力を感じさせるケープカラーのブラウスは、前に並んだくるみボタンがレトロな雰囲気を表しています。
上半身は身頃もケープもたっぷりと布を使っているのにすっきりと見えるのは、シルクの布の引力を利用しているから。
日本の着物は、内側にあたる部分にも贅沢な絹を使用していました。このとろみ感とお肌に触れた時の自然素材の心地よさは、現在ではかなり高額な素材となることを考えても、古い時代の日本人の豊かさに思いを馳せずにいられません。
見た目の風合いは、現在ではアセテートやレーヨンなどの素材が手に入りやすい価格で出回っていますが、静電気が起きやすかったり、肌馴染みや皮膚呼吸がしづらく、シルクの風合いにはかないません。
シルクは光沢があり、なめらかで高級素材というだけでなく、人の毛穴から出る毒素を浄化するデトックス作用があるとも言われています。
日本の着物のほとんどがシルク素材だったことを考えると、見た目の美しさだけでなく、心や体にも負担が少なく浄化し、身を守ってくれる役割を果たしていたのだと感じると着物への敬意もますます深まります。
これまでも、これからもずっと変わらずに女の子の気持ちを忘れずに
夢みる気分でいられるようなドレスを作っていきます*
みんなが、心からの笑顔があふれ幸せいっぱいで過ごせる毎日でありますように。
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