ご結婚式のためのウエディングドレスをオーダーしてくださったT様。
ドレス製作のために沖縄から何度も足を運んでくださったT様ですが、旦那様が「お母さんのあのドレスを直してもらったら?」とアイディアを出してくださり、お色直しドレスもご依頼くださいました。
その年の夏にお母様が亡くなられたばかりということもあり、涙ながらにお母様との思い出やエピソードもお話ししてくださいました。
丸型の柄が楽しさやお幸せを表しているレトロなドレスは、お母様がウエディングドレスとしてお召しになられたシルク素材のもの。
シンプルで洗練されたデザインと自然な光沢から気品が溢れていました。
高身長で美しいプロポーションをお持ちのT様からのご依頼は「丈を伸ばしてください」というご希望のみで他は全てお任せくださいました。
お母様のドレスの生成り色にピッタリ合うフランス製シルクチュールをたっぷり使いエレガントさをプラスしたドレスに仕上げました。
ウエストを解いて、上下を取り外して、お母様のドレスのシルエットを崩さずに引き立てることを意識しながら立体裁断を行い、新しいスカートのラインを決めました。
チュールは切りっぱなしの処理にすることも多いのですが、長くご愛用いただいた際に素材が傷まないことを考えて、裾には細幅のコットンチュールを重ねました。
オーダーしてくださったウエディングドレスとともに、最終のフィッティングでリメイクドレスをお召しいただいた際に「本当にどこにもない、見たことのない新しいドレス!!」と感激してくだり、今までドレス作りを続けてきてよかったと嬉しさが広がりました。
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