「ひとつの物事をふたつの側面から見ること、そしてその二つの面は本質をたどるとひとつである」という意味の仏教用語の「而二不二」ににふに。
以前テレビ番組で文化人類学者の中沢新一さんが語っていた折口信夫さんの言葉で忘れられないものがありました。
「それぞれの違いを探し出すのではなくて同じ部分を見つける精神が、縄文人のものの考えや和の心や創造性を作り出したのだ」ということ。
心から離れずに残っていた言葉と「而二不二」という言葉が重なり合い心に響きました。
日本人が大切にしてきた着物は、現在では日常の生活と離れたところにある存在ですが、そこに類似性や共通性を発見し、着る人の体や心にフィットした新しいイメージを作り出すことが出来たら…という願いを込めた名前です。
着物の裏にあるご自身やご親族様の思いもまたふたつのように見えて、ひとつ。そんなふうに思いを重ねることも着物リメイクの使命ではないかと感じています。
ブランド名Luce-Ninifuni は、光を意味する言葉(Luce・ルーチェ)と、Ninifuniが結びつき、和の心や創造性に満たされ輝くよう祈りも込めました
日本の着物の素晴らしさは、シルクの素材が上質で純度が高いだけでなく、繊細ありながらもダイナミックな模様の優美さにあると感じています。
また手縫いをすることで、ほどきやすいだけでなく着る人への想いを込められること、ハサミを入れるのは最低限の数カ所で、洗い張りで元の反物の状態に戻すことができるという持続可能な点においても大変優れたものだということがわかります。
日本人の感性や美意識の込められた着物は世界に誇れる優美な衣装ですが、現在ではあまり袖を通すことなく眠ったままになっていることがほとんどです。
その素晴らしさを日常で活躍できるものとして生まれ変わらせ、日本人として生まれた喜びを広げたい。自分自身や家族の思い出、先祖の想いを未来に繋げたいという願いから着物リメイクを始めました。
最高の素材を用いじっくりと時間をかけて美しいシルエットを求め、女性が最も輝く結婚式のためのウエディングドレスを手掛けてきました。
その経験から「直線と曲線の美しさ 」を取り入れることが、より自然体で美しく自由なシルエットに繋がることを実感しています。
日本の着物の素材にフランス式の立体裁断の手法をほどこすことで、自然と調和した着物の素材や風合いを最高に活かします。
パリのオートクチュールと同じ製法で作られるドレスの特徴は、着心地の良さと着痩せ効果のあるフィット感が特徴です。
一般的な製図法による平面作図は、着る人の寸法による数字を頼りに作られるため自然なラインを出すのが難しく
立体裁断で行う型紙作りは、数字では割り出せない美しさを、指先のイマジネーションを使い全体的なシルエットや細部のこだわりを表現していきます。
世界に誇れる日本の伝統衣装の着物を生活の中に生かして、着る人を最高に引き立てる洋服やドレスに生まれ変わる着物リメイクを行なっています。